共生日本協議会の基本理念の一つに、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンがあります。
具体的には、職場という組織、社会において多様性を尊重し、すべての人が活躍できる環境を目指すことです。
私は、そのために大切にしたい取り組みの一つに当事者の声を聴くことがあると考えています。
協議会は当事者を「多様な人材を活かした雇用がしたい法人等及び、多様性を活かして働きたい就労希望者」の両者と定義しています。
私は、当事者のなかでも就労をめざす障がいのある方々と長く関わりをもってきました。
そこでの私の立場は、研究という視点で障がいのある方々の声なき声をどのようにしたら聴けるのか、そして、その声から何を訴えているのか、何を伝えたいのかを聴き取ることです。
声なき声は、表情やしぐさとしても発せられます。
その声を面接や観察そして調査などを通して聴き取り、分析することで、より正確にたくさんの声を聴き取るための方法とともに、当事者の声に応える支援を開発する研究を続けてきました。
開発した支援の一つに、近年で言うところのキャリア形成、あるいは社会的な自立とも関わりのある「働く態度」、「しごとに向かう態度」の育成というものがあります。
さらに、その育成をめざすための支援者の学び「働く力を伸ばし、しごとに向かう態度の育成に向けた7Step」を提唱し、広く知ってほしいとの思いで、様々な現場での実践的・実証的な活動を続けてきました。
私自身は企業で働いた経験はありませんが「多様な人材を活かした雇用がしたい法人等と、多様性を活かして働きたい就労希望の方々」を共に大切にしたいという協議会の考えに賛同し、私の生きてきた分野での経験が多少なりとも生かせるかもしれないと考え、理事長をお引き受けすることにいたしました。
理事長 菅野 敦